「人生において本当に大切なものは何か?」
この問いに、あなたならどう答えるでしょうか?
お金、成功、健康…。さまざまな答えがあるかもしれません。
しかし、『残酷すぎる人間法則』の著者エリック・パーカーは、こう断言しています。
「人生において本当に重要なのは、たった一つ、それは他者との関係だ。」
実際、研究によると、人とのつながりが深いほど幸福度が高まり、孤独な人ほど健康リスクが増すことが分かっています。
特に、夫婦関係は人生全体の満足度に大きな影響を与える重要な要素です。
では、なぜ夫婦関係が人生を左右するのか?
そして、孤独を感じないためにはどうすればいいのか?
本記事では、科学的な視点からその答えを探っていきます。
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僕は本書を読んで人に対する態度を改めようと決意しました
本書は、私たちが当然のように信じている対人関係の“常識”を、科学的エビデンスをもとに覆していきます。
特に注目すべきテーマとして、本記事では以下の2つについて詳しく解説します。
「傾聴は家族には効果がない」という衝撃の事実
✅ 孤独の影響
健康を害し、寿命を縮める「見えないリスク
「傾聴」は夫婦関係に効かない?
「傾聴(アクティブリスニング)」は、ビジネスや交渉の場で非常に有効とされるコミュニケーション技法です。
相手の話をじっくり聞き、共感を示しながら受け止めることで、信頼関係を築く効果があります。
しかし、本書では驚くべき研究結果が紹介されています。
「傾聴は夫婦関係にはほとんど効果がない」
この結論は、心理学者ジョン・ゴットマンの夫婦関係の研究に基づいています。
ゴットマンの調査によると、夫婦喧嘩の最中に「傾聴」を実践しても、関係改善にはつながらず、むしろ逆効果になることが多いのです。
たとえば、怒っている配偶者に対して冷静に「あなたはこう感じているんだね」と共感を示しても、相手は「わかってるなら直してよ!」とさらに怒りを増幅させるケースがあるのです。
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傾聴しとけばいいと思ってたのに。どおりで妻の怒りが治まらないわけですね。
では、夫婦関係を良好にするにはどうすればいいのでしょうか?
恋愛において相手を「理想化」するべき理由
恋人を「理想化」することは、幸せな恋愛に不可欠です。
1999年の研究によると、幸福なカップルはパートナーの長所について話す時間が、短所について話す時間の5倍でした。
結婚後も長続きするカップルの特徴は、相手を「過剰にポジティブに評価する」ことです。
実際、結婚20年以上の夫婦を対象にした脳スキャン研究では、幸せな夫婦は「新しい恋愛と同じような脳の反応」を示していました。
しかし、この理想化が消えると、問題が発生します。
エネルギーが次第に減少する「エントロピーの法則」に従い、恋愛の熱狂も平均に回帰してしまうのです。
そのため、長続きする関係を築くには、意識的に「クレイジーさ」を維持する努力が必要になります。
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「恋は盲目」の状態を維持するために、正気に戻ったらダメってことですね。クレイジーな夫婦でいきましょう。
夫婦関係を長続きさせるための秘訣
① 夫婦間の会話を増やす
結婚生活で最も大切なのはコミュニケーションです。
研究によると、平均的な共働き夫婦の会話時間は週2時間以下だと言われています。
しかし、長続きする夫婦は、会話の時間が圧倒的に多いのです。
② 喧嘩を避けない
意外かもしれませんが、「喧嘩をしない夫婦」は離婚率が高いことが分かっています。
言いたいことを我慢すると、結果的に感情が蓄積し、関係が悪化するからです。
むしろ、適度な口論をする夫婦の方が、35年後も幸せな結婚生活を送っている傾向があります。
③ 「二人だけの世界」を作る
恋愛を長続きさせるためには、「フォリ・ア・ドゥ(共有妄想)」のような、二人にしか分からない習慣や秘密を作ることが重要です。
例えば、独自のあだ名をつける、特別な記念日を作る、二人だけのルールを作るなど、小さなことで構いません。
このような「二人だけの文化」を持つカップルは、関係が長続きしやすいことが研究で示されています。
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喧嘩が少なすぎるのもよくないけど、口論を増やすだけでは逆効果。ネガティブな発言をしたら、その5倍ポジティブな言葉が必要です。大切なのは会話の量を増やすことですね。
孤独は寿命を縮める──「見えないリスク」
私たちは「健康」といえば食事や運動を思い浮かべがちですが、実は「孤独」こそが健康にとって最大のリスク要因の一つであることが明らかになっています。
心理学者ジュリアン・ホルト=ランスタッドの研究によると、「孤独は、一日15本のタバコを吸うのと同じくらい健康に悪い」という衝撃的な事実が判明しました。
また、乳がん患者の調査では、親しい友人が10人いるグループの生存率が、友人がいないグループの4倍も高かったという結果が出ています。
さらに、驚くべきことに、「夫の有無は生存率に影響しなかった」というのです。
これは男性にも当てはまり、心臓発作のリスクを減らすのは「配偶者」ではなく「友人の存在」だったのです。
つまり、結婚しているかどうかよりも、「支え合える友人がいるかどうか」が健康や幸福度に大きく影響するということです。
「友情」は義務ではなく選択だからこそ、幸福をもたらす
では、なぜ友情はこれほどまでに私たちの人生に影響を与えるのでしょうか?
その理由の一つは、「友情は選択の関係」だからです。
結婚や家族関係には、ある程度の「義務感」が伴います。
一方で、友人関係にはそうした義務がないため、「一緒にいたいからいる」という純粋なつながりが生まれます。
しかし、友情には「法的な制度」や「社会的な支え」がないため、意識的に関係を維持しないと疎遠になってしまうリスクもあります。
実際に、「7年以内に、かつての親友の半数が親しくなくなっている」というデータもあります。
では、どうすれば友情を維持し、深めることができるのでしょうか?
強い友情を築く2つの方法
① 友情には「時間」をかけることが重要
カンザス大学の研究によると、
- 「軽い友情」:60時間
- 「本格的な友人」:100時間
- 「親友」:200時間以上
が必要だという結果が出ています。
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小手先のテクニックではなく時間をかける必要があるんですね。
② 友情を深めるには「弱さを見せる」
心理学者アーサー・アロンの研究によると、「本音をさらけ出すことで友情が深まる」ことがわかっています。
たとえば、「最近、仕事でミスして落ち込んでるんだ」と話すことで、相手も心を開きやすくなります。
こうした「時間」と「信頼」の積み重ねが、人生をより豊かにしていくのです。
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当たり障りのない雑談をしても友情は深まりません。自分をさらけ出すのは怖いけど、友達には弱さを見せましょう。
まとめ:人間関係がすべてを決める
最後にここまでの内容をまとめます。
感情を重視したコミュニケーションが大切。
✅ 恋人や配偶者を理想化することで、関係満足度が向上する
長続きする関係を築くには、「クレイジーさ」を維持する努力が必要
✅ 「二人だけの文化」を作ることで、関係を特別なものにする
二人にしか分からない習慣や秘密を作ることが重要
✅ 孤独は健康を害し、寿命を縮める
「一日15本のタバコ」に匹敵するリスク。
✅ 友情は「選択の関係」だからこそ、人生を豊かにする
維持するためには時間と信頼が必要。
「最近、友だちと連絡を取っていないな」と感じたら、今日から小さな一歩を踏み出してみませんか?
たった一回の連絡が、大切な友情を取り戻すきっかけになるかもしれません。
「人間関係がすべてを決める」
この言葉を胸に、あなたの大切な人とのつながりを見直してみてください。
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お金持ちになっても孤独では幸せになれない。良好な人間関係は孤独なFIREより重要ですね!
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