「この映画すごく良かった!」
「この曲やばい!」
「この本、すごく考えさせられた…」
こんな感想を言った後に、具体的に何が良かったのか聞かれて言葉が出なかった経験はありませんか?
SNSで他の人の感想を見た後で、自分の元々の感想がわからなくなった経験は?

僕もYouTubeのコメント欄を見て、自分の感想みたいに妻にドヤ顔で話しちゃってます
三宅香帆さんの『好きを言語化する技術』を読んで、「好き」を自分の言葉で表現するためのヒントを得たので、特に印象に残った3つのポイントを共有します。
他人の言葉に飲み込まれない自分の感想を守るコツ
SNSを眺めていると、他人の言葉に影響されてしまい、自分の本来の感想がわからなくなることがあります。
特に自分はまだモヤモヤとした「好き」という状態のときに、他の人がはっきりとした強い言葉で感想を言っていると、なぜかその人の言葉に寄っていってしまう。
そんなとき大切なのは、最初に自分の感想をメモすること。
三宅さんは「他人の感想を見る前に自分の言葉をつくる」ことを最重要ポイントとして挙げています。
具体的には以下の3ステップ
- 1. 心を動かされた箇所の具体例を挙げる
- 2. その箇所についてどういう感情を抱いたかを言語化する
- 3. それをメモに残す
例えば映画を見終わった直後、SNSを開く前にスマホのメモアプリに
「あのシーンの照明の使い方が美しかった」
「主人公の最後のセリフが胸に刺さった」などと書き留めておく。
感動したポイントを先に記録しておくことで、後から他の人の感想を見ても自分の意見が埋もれません。
これは単なるメモではなく、自分の思考と感性を守るための大切な習慣なのです。

やっぱり日頃からトレーニングしておかないと感想は出てこないですね。YouTubeのコメント欄を見ながら動画を見るの、もうやめよう。
「語彙力」より大切な「細分化」の技術
「感想を上手く言えない」
「語彙力がない」と悩む人は多いですが、実は推しの魅力を言語化するときに本当に必要なのは語彙力ではなく「細分化」の能力だと三宅さんは指摘します。
言語化とは「どこが」良かったのかを細かく分解して言葉にしていく作業。
例えばライブの感想で「最高だった!」と言うだけでなく
- 1曲目に○○の曲が来たこと
- MCで○○という発言があったこと
- ○○のダンスが上手くなっていたこと
- ○○の衣装がかわいかったこと
このように細分化すればするほど、あなただけのオリジナルな感想になります。
語彙力がなくても、自分が心を動かされた具体的な点を細かく挙げることで、感想は豊かになるのです。
感動ポイントを細分化する習慣をつけると、「やばい」「最高」「考えさせられる」といった「クリシェ(ありきたりな表現)」に頼らなくても良くなります。
クリシェは思考停止を招き、あなた自身の言葉を奪う敵だと認識しましょう。

いつも「おもろかった」しか感想が出てこないから、どこがおもろかったのか細かいところを言えるようにしたいですね。
感動の理由を「共感」と「驚き」で考える
感想を深めるために、なぜその感情を抱いたのかを考えてみましょう。
歌人の穂村弘さんによれば、何かに感動する理由は大きく「共感」か「驚き」に分類できるそうです。
– 自分の体験との共通点を探す
– 自分の好きなものとの共通点を探す 驚き:今まで見たことのない新しさとの出会い
– どこが新しいと感じるのかを考える
例えば、あるキャラクターの成長に感動したのは、自分も似たような経験をしたからかもしれません。
もしくは、ある映画に惹かれたのは、過去に好きだった映画と似たテーマを扱っていたからかもしれません。
逆に、全く新しい表現方法に出会って心を揺さぶられた場合は「驚き」の感動。
「こんな表現があるのか!」という意外性への反応です。
この「共感」と「驚き」という観点から自分の感動を分析してみると、なぜ心を動かされたのかが見えてきて、感想がより具体的になります。

お笑いでいうと共感はあるあるネタで、驚きは真空ジェシカやランジャタイなどの見たことない、想像もつかないネタって感じかな。
「共感」と「驚き」で考えることで、自分の体験と結び付けてオリジナルな感想が生まれるってわけですね。
まとめ:好きを言語化する技術で自分だけの感想を育てる3つの習慣
「好き」を言語化する能力は、SNS時代において自分の感性を守るための重要なスキルです。
他人の言葉に流されず、自分だけの感想を大切にする。
そのためには
- 「他人の感想を見る前に自分の感想をメモする」
- 「感動ポイントを細分化する」
- 「感動の理由を『共感』と『驚き』で考える」
という3つの習慣を身につけましょう。
語彙力がなくても大丈夫。
ただ「好き」と言うだけでなく、どこがどう好きなのかを細かく言葉にしていくことで、あなただけの感想が生まれます。
そして、その感想こそがあなたの個性であり、他の誰にも真似できない価値あるものなのです。

リアルでは口数の少ない僕も、この3つの習慣を身につけて自分だけの感想をどんどん発信していきたいと思います!
今回、紹介した『好きを言語化する技術』を含め三宅香帆さんの作品はAudibleで聴けます!
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僕も毎晩これで本を読みながら寝落ちしています。