『貯金40万円が株式投資で4億円』に学ぶバリュー株投資

上記のように「投資で豊かになりたい」人に向けて書いています。

投資の勉強をして効率よく資産を増やしていきたいけど、どうしたらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

そんな状況を打破する方法があります！

それは、資産バリュー株投資です。
資産バリュー株投資ならリスクを抑えつつ、リターンも狙うことが可能です。

本記事を読めば、「ローリスク・ミドルリターンの堅実な投資手法」が学べます。

著者のかぶ1000さんは、中学2年（1988年）から株を始め、アルバイトもしたことがない専業投資家です。
本のタイトル通り累積利益は4億円を突破しています。

「個別株に集中投資して、運よく当たったから増えたんじゃない？」と思いますが、めちゃくちゃ研究されていて、むしろ堅実な投資手法でした。

実際、2001年から2021年現在までの間で年次運用成績がマイナスになったのは2008年のリーマンショック時だけです。
2008年以外は毎年プラスの成績を叩きだしています。

本書はそんなかぶ1000さんの投資術が惜しみなく書かれたありがたい本です。
あなたも『貯金40万円が株式投資で4億円』を読んで、経済的自由を目指しましょう。

4億円を稼いだ投資手法はバリュー株投資

ずばり、かぶ1000さんの投資スタイルはバリュー株投資です。

バリュー株投資と成長株投資

まず、代表的な投資手法としてバリュー株投資と成長株投資の2つに分かれます。

バリュー株投資は、その企業の「現在価値」を調べ上げて、それに対して株価がどのくらい割安かを測って投資します。

一方、成長株投資は、その企業の業績が伸びて「将来価値」が高まるという予測に基づいて投資します。

GoogleとかAppleとかGAFAMと呼ばれる大人気企業たちがそうですね。
イケイケの人気アイドルに投資する感じです。

次はバリュー株のなかでも、資産持ちの企業 VS いっぱい稼ぐ企業について見ていきましょう

実は、かぶ1000さんが得意なのは資産バリュー株投資のほうです。

資産バリュー投資と収益バリュー投資

かぶ1000さんが資産バリュー投資をする理由は、安全だからです。
収益は業績次第なので、いいときもあれば悪いときもあります。
でも資産は、ある日突然なんの前触れもなく、半分になったり、消えたりすることは考えにくいですよね。

ではお金持ちなのに人気がない会社の探し方をみていきましょう。

資産バリュー株の探し方

資産バリュー株とは、企業が持っている資産価値に対して、株価が安い銘柄のことです。

探し方をざっくり言うと、PBRが低い銘柄を見つけて、会社の資産価値に対してどれだけ安く見られているかを調査します。

割安かどうかの目安としては
PBR0.4以上0.5未満＝割安
PBR0.3以上0.4未満＝超割安
PBR0.3未満＝激安
となっています。

さらに、かぶ1000さんは単純なPBRではなく「実質PBR」を重視しています。

普通のPBRと比べて、かぶ1000さん流の実質PBRは純資産のなかに「含み資産」を加えます。

では、含み資産とは具体的にどんなものでしょうか？

実質PBRとして見るべき「含み資産」

かぶ1000さんが見ている3つのポイントを確認していきましょう。

• ①現金及び預金
  総負債より多ければ、不況や外部環境の変化にも強く、資本的に余裕がある
• ②有価証券
  なかでも注目したいのは上場株。
  とくに自社の時価総額以上の株式を持っていたら、その銘柄は資産バリュー株投資の対象となります。
  たとえば「昭栄薬品」は「花王」の株式を約69万株所有しています。。
  「花王」の株を直接買うより、「昭栄薬品」の株を買ったほうがお得ということです。
• ③賃貸用不動産や土地
  なかでも、一等地で簿価が安く、含み益がのった不動産を持っている場合、お宝銘柄の可能性があります。
  簿価とは帳簿価格の略で、購入したときの値段で計上されています。
  設立が古い会社は非常に低い簿価のままになっている土地を持っている可能性もあるため、調査してみる価値があります。

資産形成にいちばん役立ったネットネット株とは

資産バリュー株投資のなかでも、かぶ1000さんが大きな資産を形成するうえでいちばん役立ったのは「ネットネット株」だそうです。

ネットネット株とは、流動資産から負債を差し引いた「正味流動資産しょうみりゅうどうしさん」に対して株価が割安な株のことです。

簡単に言うと「1万円の入った財布が5000円で売られている」ような銘柄です。

ネットネット株の探し方

まず企業のホームページから「決算短信」を探しましょう。
今回は（3537）昭栄薬品を調べてみます。
「IR情報」→「IRニュース」のなかに「決算短信」がありました。

「決算短信」を開いたら、「貸借対照表」を探します。
そのなかで必要な項目をチェックしましょう。

ネットネット株探しに必要な情報（単位：千円）

• 現金及び預金：　　　   　937,665
• 受取手形：　　　　　   6,628,108
• 貸倒引当金（流動資産）：   △340
• 投資有価証券：           5,808,082
• 貸倒引当金（固定資産）：△5,228
• 負債合計：                 7,213,609

これらの数字をさきほどの公式に当てはめると
6,154,678。
単位が千円なので
換金性が高い流動資産は61.5億円ですね。

次に時価総額を調べます。
僕は楽天証券を使っているので、楽天証券で見てみます。
銘柄を検索して、「四季報」→「株式」のところに出ています。
時価総額は35.8億円でした。

（換金性の高い）流動資産61.5億円>時価総額35.8億円なのでネットネット株ですね。

さらにかぶ1000さんは「ネットネット指数」で割安かどうかを判断します。

時価総額÷（換金性が高い流動資産-総負債）=ネットネット指数

かぶ1000流の目安は1未満が最低条件
0.66未満=超割安
0.5未満=激安
です。

昭栄薬品の場合は、35.8億円÷61.5億円=0.58
ネットネット指数は0.58なので超割安ですね。

ネットネット株の実例

それでは、本書で紹介されていたネットネット株の実例をかんたんにご紹介します。

• （3537） 昭栄薬品
  「花王」の株めっちゃ持ってる
• （2221） 岩塚製菓
  中国の「ワンワンチャイナ」の大株主
• （3504） 丸八ホールディングス
  現金めっちゃ持ってる

ネットネット株は、みんなに注目されていないから、なかなか株価が上がりません。
しかし、いずれは企業の価値が認められて株価は上がっていくことが予想されます。

 

『貯金40万円が株式投資で4億円』のまとめ

ここまでの内容をまとめます。

• かぶ1000さんは資産バリュー株投資が好き
• 資産バリュー株とは金持ちなのに人気がない企業
• 築き上げた資産は、そう簡単に崩れない
• ネットネット株とは時価総額より資産が大きい株
• ネットネット株を探して応援しよう

本書で紹介されている投資手法は、ローリスク・ミドルリターンを狙ったやり方です。
成長株投資と違って、評価が低い企業や、成熟した企業に投資をするので早く、一気にお金持ちになりたい人向けではありません。

投資のやり方も、好みも人それぞれですが、ぼくの性格にとても合っているなと思いました。
実際に、本書で紹介されていた企業の株を少し買ってみたので、これからが楽しみです。

本書は上記以外にも

• かぶ1000流、四季報の使いこなし術
• マーケットを動かす材料、カタリストとは
• ポートフォリオの管理方法
• かぶ1000流リックスルー純資産とは

など、長年の投資経験で培ってきた珠玉のノウハウを惜しげもなく公開されています。
ぜひ本書を読んで、経済的自由を手に入れて豊かな生活を一緒に目指していきましょう。